それにしても語彙が欲しい

生活の中で考えたことや、感銘を受けた作品のレビューなどを書いていきます。毎週土曜日(&気まぐれ)24:00頃更新。

小説はタイトルや表紙でどの程度内容を開示すべきなのか

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小説を作る際、タイトルや表紙はどの程度内容を開示(ネタばらし)すべきなのでしょうか。

「分野や好みによりけり」と言ってしまえばそれまでなのですが、少しだけ踏み込んで考えてみます。

 

あらすじが超重要

売れ行きに対しては、タイトルや表紙より、実はあらすじ(紹介文)のほうが影響は大きいと思っています。

本の帯や背表紙、Amazonの紹介文に、どこまで、どんな風に書くかが非常に重要だと思うのですが、あらすじのことまで考え出すとキリがないので今回は割愛します。

 

ラノベは長文タイトル一強

「長文タイトルで全部説明する」+「女の子の絵で釣る」がベーシックな戦略です。

※ちょいちょいラノベの話をするので僕のことをラノベファンだと思っている人がいるかもしれませんが、それは誤解ですとだけ申し上げておきます。

 

 

 

ノベルジャム2018のタイトル・表紙と内容の関係

ノベルジャム2018で発表された作品について、「タイトル・表紙の開示度(A>B>C)」と「個人の感想」を書いてみます。

開示度というのは、「どの程度予想がついたか」と「予想通りだったか」のアバウトな合算です。

個人の感想は「A.期待以上で超良かった」「B.期待通りで良かった」「C.想像の域を出ず物足りなかった」の3つに分かれます。

内容そのものより「読み始める前と後を比べてどうだったか」という話です。

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:B 個人の感想:A

 

タイトルの開示度:C 表紙の開示度:A 個人の感想:C

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:B (予想と全然違ったので感想なし)

 

タイトルの開示度:C 表紙の開示度:A 個人の感想:A

 

タイトルの開示度:C 表紙の開示度:C (両方低いので感想なし)

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:B 個人の感想:C

 

ユキとナギの冒険

https://bccks.jp/bcck/153414

タイトルの開示度:C 表紙の開示度:C 両方低いけど個人の感想:A

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:A 個人の感想:B

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:B 個人の感想:B

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:A 個人の感想:C

 

タイトルの開示度:C 表紙の開示度:B (両方低いので個人の感想なし)

 

タイトルの開示度:B 表紙の開示度:A 個人の感想:C

 

タイトルの開示度:B 表紙の開示度:B 個人の感想:C

 

タイトルの開示度:A 表紙の開示度:A 個人の感想:C

 

タイトルの開示度:B 表紙の開示度:A 個人の感想:C

 

個人の感想はあくまでも個人の感想です。←チキン

予想通りで嬉しいか物足りないかは、「そういうものをどんどん読みたいかどうか」で分かれるのだろうと思います。

 

表紙の開示度について

デザイナーさんの仕事は「本文を読んでそのイメージを画像にする」という単純なものではなく、どんな人に手に取ってほしいのかとか、どの程度開示するのがいいかとか、複雑な思惑があるはずです。

よって、開示度が高いほど作品を表現できていて偉い、ということにはなりません。

 

売れるかどうかとは別の視点もある

ラノベは「A・A・B狙い」が勝ち筋となっています。

じゃあ他の分野もそうすればいいのかと言えばそんなことはありません。

 

小説は売れりゃあいいというものではないです。

個人的には、(あらすじを読まずに選ぶとしたら)表紙・タイトルの総合的な開示度が低かったらほぼ買わないのですが、高かったら高いで想像を越えられない確率も上がるというジレンマがあります。

開示度合算B・感想Aが理想……でしょうか。

 

開示度合算A・感想Aがあり得るかどうか――というのが今、興味深い問題です。

ノベルジャム2018作品の中にはなく、普段の買い物ではタイトル・表紙より著者・あらすじ重視なので、実例が思い当たりません。

 

表紙には「読み終わってからの《そういうことだったか!》狙い」もあり得ます。

ノベルジャム2018の中でそういうことをしていたのは『怪獣アドレッセント』だけかなと思います。

(『怪獣アドレッセント』は「本文があらすじ」でさえなければ感想Aでした)

 

【3/28追記】グランプリ授賞式を終えて

我々Cチームの『その話いつまでしてんだよ』は「山田章博賞」を受賞しました。

【NovelJam 2018山田章博賞】

「本文と表紙を照らし合わせながら、読みたくなる魅力的な表紙・挿絵であるか?」をもとに評価。

 

講評より:昭和から平成のあの日、日本のそこかしこで起きていたかも知れない出来事について群衆に向けたマイクが雑踏の中から拾ったような『言葉』。そして、そのタイトルを印象づけるのに成功している装丁だと思いました。黒い額縁と喪章に対比して、変にポップなタイポグラフィとテキスタイルが、本文に描かれている悲喜劇を巧みに表しています。

 

出典:NovelJam(ノベルジャム)|NPO法人日本独立作家同盟

ありがとうございますm(_ _)m

『その話いつまでしてんだよ』を自己分析すると、タイトルの開示度はC、表紙の開示度はB(帯含む)なのですが、山田先生の講評を聴いて、一つ大事な点を見落としていることに気付きました。

というのは、表紙には本文の一枚目的な存在という側面もあるということです。

いかに手に取らせるかばかり考えていましたが、すでに手に取った人がどんな風に物語世界へ入っていくかも表紙の役目だったのです。

 

各作品の販売部数をざっくり見たところでは、「単純に(当日賞の)受賞作品が強いだろう」という僕の予想はほぼほぼ当たっていたっぽいです。(販促活動の活発さや成果は分析していません)

当日賞が発表され、公式の販売ページで格付けされるならば、無冠作品が受賞作品を超えるのはかなり大変だと考えられます。

作家・藤井太洋さんとマンガ家・ 鈴木みそさんによるトークセッションでは、SNS時代に創作物がバーンと売れるには作者自身が前に出ていくしかない」というお話がありました。

言われてみれば確かに、自分が好きなクリエイターさん(@Jecy_Losikaさんとか)のことは、日常のツイートも含めた「その人ワールド」が見たいと思ってフォローし、グッズを買ったりしています。

しかもRTするだけでラクラク布教活動ができます。

 

  • 受賞の有無は覆せない
  • 最もパワーのある販促ツールは作者自身(元々の知名度含む)

ということは、(少なくともノベルジャムにおける)表紙は「売り場の中でいかに目立つか」とか「どんな読者層を狙うか」よりも「どんな風に本文へ導くか」のほうが大事なのかもしれません。

 

 

 

以上、この一ヶ月半ほど、ノベルジャム関連のことばかり書いてきました。

次回からしばらくは全然関係ないことばかり書こうと思います(・∀・)