第1回DramaJam全6作品の個人的感想
第1回(すでに第2回をやるつもりで第1回と書いています)DramaJamへのご参加・ご来場、誠にありがとうございました!
この記事では各作品への個人的な感想を書いていきます。
また、ご本人の終演直後のツイートを添えておきます。
維嶋津さん『五反田・五人組・爆発まであと五分』
ミッションの解決の仕方が一番スマートでした。森田さんが5・7・5・7・7をフル活用してきたのでそちらの影に隠れ気味ですが、3つのミッションを障害ではなく踏み台として活用したのは維嶋さんだけです。状況を読む力が高いのだと思います。
ミッションを上手く使った一方で、音響効果は活用できていませんでした。音響への指示が一切なく、不要と判断されたようですが、結果的には必要だったと思います。たとえば、爆弾を投げ合うシーンにSEがあれば観客はもっと反応しやすかったはずです。
キエーッ!!!!!!!
— 維嶋津(Sin Isima)@SF作家 (@isimasin) 2020年1月6日
調子ぶっこいてたらDramaJamでボコボコにされたので泣きながら反省する|維嶋津 @isimasin #note https://t.co/hvyfLNMkuA#Dramajam
一之瀬楓さん『オルタナティヴ』
「映像」のイメージで作品を作ったのは一之瀬さんだけだったと思います。よくある「本当は映像でやりたいけど専門知識がないからお手軽な演劇で代用してるだけ」の演劇作品に対しては「映像行け」としか思えないのですが、「朗読」は観客の脳内に映像が立ち上がれば成功です。朗読公演の料金設定は大いに議論すべきですが、朗読という表現方法の可能性を感じさせてくれました。
弱点はキャラにオリジナリティーが無いことです。他の5作品のキャラがみんなものすごく個性的かというとそんなことはないのですが、この作品のキャラは率直に言ってフリー素材のように印象が薄いです。その最たる原因はキャラの性格とか設定ではなく、言葉、語彙だろうと推測します。
今回も杉浦さんが脚本の表紙を担当してくださいました!そして、友人から差し入れもいただきました。
— 一之瀬楓@1月10日池袋Red Zone (@kaede_i_0623) 2020年1月6日
そして、この#DramaJamに興味持ってくれた方も何人か居るみたいで、また機会があればやってみたいなぁと思います( -`ω-)b
自分の書いた脚本が舞台になる、これ本当にすごいことですよ。
西河理貴さん『ビーンボールをもう一球』
劇団はるさめの旗揚げ公演と本作を続けて拝見し、安定して「掛け合いをしたくなる会話」が書ける作家さんだという印象が僕の中で定着しました。前半の軽い言葉と後半の重い言葉のバランスも良く、優等生的な作品です。
気になるのは「どうしても音楽でなければならなかったのか」という点です。確かに音楽の話をしているのですが、若者のチームプレイなら、演劇・スポーツ等、他の何かでも代替可能だと感じました。即興イベントで要求し過ぎかもしれませんが、専門性が濃くなればより良くなっていたと思います。
#DramaJam お疲れさまでした!! 観客投票、総合では(マチソワの観客数の差もあり)(言い訳)森田さんに譲りましたが、マチネ作品内では最高得点だったそうです😭😭書いてよかった😭😭演者の皆さんのおかげです。やっぱすごいな演劇のカタルシス! これからも作り続けていきましょう。
— ニシカワリキ (@_lqu) 2020年1月5日
森田玲花さん『短歌病』
発想は天才のそれ。タイトルも秀逸。途中経過報告として最初に上がってきたアイディア集も全部面白そうで、どんどん閃いている今のうちに作品を書いてほしい人です。
観客からの評価も高かったのであえて冷たい言い方をしますと、中盤の5・7・5・7・7が雑です。反復しているだけで工夫がありません。全部「いと速報」級の精度があれば完璧でした。
やりきれなかったこともたくさんあって悔しいこともあるのですが、あの場においての最高は出しきれた舞台なんじゃないかなと思います。言い訳にしかならないけど、三日間の制約での最高品質です。時間があればもっとはあるけど、時間が有限なのは最初からわかってたので、そこが反省。 #DramaJam
— もりた (@minic410) 2020年1月6日
オノデラヒカリさん『あたらしいおんな』
個人的に色々あって、本件は絶対に忘れられてはいけない事件だと思っているので、ストレートに取り上げてくれて嬉しかったです。ぼかしすらしない勇気には驚かされました。
最初が衝撃的で終わり方は巧みですが、中盤は見応えに欠けます。ストレートなだけに、ただ流しているだけではノンフィクションやドキュメンタリーに勝てる要素がありません。演技をもっと詰めて緩急をつければ――特に「急」にこだわれば――ヒリつく作品になったと思います。
【アフタートークで言い損ねたこと】作品は、いやなことが日常でも重なるけども百年前にもそれに、誰が悪いということはないので、がんばろ、って運動があるので、そういうことを誰が受け取って、つないで、バトンのように誰かにパスを出せれば良い、ということが言いたいと構想。#Dramajam
— 小野寺ひかり (@OnoderaHikari) 2020年1月5日
【アフタートークで言い損ねたこと】さいごに、役者のみなさま、御来場いただいたみなさま、ありがとうございます!#Dramajam
— 小野寺ひかり (@OnoderaHikari) 2020年1月5日
馬原颯貴さん『タイムライン』
エンタメとしての完成度は随一でした。役者とのディスカッションを活用しながら、ただ拾った素材を並べるのではなく一つの筋に束ね、音響・照明の効果も使いこなしていました。
序盤のつぶやきについて「本当に聞き取れなくていいの?」と、また、時間遡行あたりについて「これみんな聞き取れてる?」と感じました。わりと有名な劇団でも「もはや聞き取れなくていいから捲し立てろ」とか「セリフ潰していいから爆音鳴らせ」とパッション全振りの演出をしているところは珍しくありませんが、作家・役者は観客と違って言葉をすでに知っているので、自己満足に陥っていないかと危惧します。
ぶろぐを更新しました。
— 馬原 颯貴 (@MaharaSohki) 2020年1月6日
終わりました。DramaJam。 - ぽろぽろこぼれる https://t.co/oUC1nz8YUf
ちなみに昨日は、
全作品の感想と企画としての成果・反省を今日明日で書きます。 #DramaJam
— 森山智仁 (@bacoyama) 2020年1月7日
と言ったのですが、とても書き切れなかったので、企画としての成果・反省は改めて土曜日に投稿しますm(_ _)m
観客の皆様のご感想ツイートはこちらにまとめさせていただきました。