舞台の演出をハンバーグにたとえてみた
先日の演技ワークショップは「演出をやってみよう」がテーマでした。
当日やったことの一部をレポートします。
課題①ハンバーグの味を決める要素を5つ挙げてください
書いたらスクロール(・∀・)↓
たとえ話なので答えも何もないのですが、今回の答えは
- 店
- 食器
- 接客
- 肉
- ソース
です。
課題②上の5つの要素を「観劇」に当てはめてみてください
書いたらスクロール(・∀・)↓
答えは、
- 店=劇場
- 食器=舞台装置
- 接客=音響・照明
- 肉=役者
- ソース=脚本
です。
それらを選択、指揮するのが「オーナーシェフ」、演劇なら「プロデューサー」や「演出」です。
同じ作品でも、劇場が違えば別物に見えるはずです。
立派な劇場や快適な客席なら作品は良く見えるし、逆も然りです。
舞台装置はただの装飾ではなく、アクティングエリアを規定するものです。
演出が何をしたいか(できるか)は舞台装置を見るだけでも結構わかります。
音響・照明は接客に相当すると考えました。
効果は絶大ですがハンバーグ本体とは一線を画すものです。
「ぶっちゃけハンバーグの味はほぼソースだ」と思う人も多いのではないでしょうか。
ハンバーグに限らず肉料理ってそういうところがあります。
ソースさえ良ければ誤魔化せてしまいます。
まず脚本があり、その稽古をするという順番で考えると「脚本が肉で役者がソースでは?」と思われるかもしれませんが、影響力の大きさから脚本をソースとしました。
ソースさえ良ければ肉はどうでもいいという話ではありません。
お客は、肉を食べに来ています。
ハンバーグは、肉です。
課題③理想のハンバーグを考えてください
資金は無限にあるものとして、
- 店
- 食器
- 接客
- 肉
- ソース
の各要素を考え、互いにプレゼンしてもらいました。
皆さんの性格が出て面白かったです(小並感)。
課題④理想の演劇を考えてください
③と同様に、
- 劇場
- 舞台装置
- 音響・照明
- 役者
- 脚本
の各要素を考えて互いにプレゼンしてもらいました。
演出やプロデュースとは「全体」を考えることである、というのを実感していただけたかと思います。
演出体験が演技にどう役立つのか
役者は、レストランの肉担当です。
店の雰囲気や食器、接客、ソースを知らずして、ハンバーグ本体だけを作れるでしょうか。
いや、作れるっちゃ作れるでしょうが、全体像を知っているか否かで、やれることの幅がまったく違ってくるはずです。
まず全体像を知ろうとすることが大事なのです。
本来、全体像は演出家やプロデューサーの側から伝えるべきなのですが、伝えることを怠ったり、感性の問題で伝わらなかったりということがしばしばあります。
そういう時、役者はふんぞりかえって待つのでなく、製作の過程で能動的に全体像をつかみに行きましょう――という話でした。
ちなみに
つかみに行った結果、全体像も何もなく、ハンバーグ屋さんごっこをしてみたいだけとか、金さえ儲かれば何でもいいみたいな現場だった場合はどうすればいいでしょうか。
耐えてください(・∀・)
そして、そういう現場にもう関わらないで済むように、嗅覚を身につけてください。