雨乞山に登ってきました
先週、群馬県沼田市の雨乞山(1067.8m)に登ってきました。
11:20、のんびりと沼田駅到着。
谷川岳が輝いています。
登山を始めて早9ヶ月、累積山行距離はそろそろ400kmに達しようとしていますが、ああいうメジャーどころにはまだ足を踏み入れていません。
とりあえず今年の夏に行けるだけ行きたい所存。
バスで「塩の井」のバス停までアクセス。
見事な桜のフレームに囲まれて見えるあれは武尊山ですね。
ふぁー、美しい。
都心に住んでいるからこそたまの山が気持ちいい――と思うのと、あちこちの山に行くなら結局都心が一番便利なのと、演劇活動をやりたいので、まだしばらく東京を離れる気はないのですが、ゆくゆくは山麓への移住もわりと本気で考えていたり。
初穂カントリークラブに至る坂を歩いていきます。
春やねぇ(*´ω`*)
利根沼田望郷ラインの「河岸段丘ビューポイント」より。
これぞ河岸段丘っていう河岸段丘が見えます。
南方には赤城山も見えます。
山裾が広くていいなあ。
一通り景色を愛でたら、行動食を腹に入れ、雨乞山へ向かって右の道を攻めていきます。
13:00、やっと登山口へ。
バス停からここまで歩いて1時間強。
この少し下に駐車場があるので自家用車持ちの地元の方々には親しみやすそうですが、公共交通機関でのアクセシビリティは最低ランクと言っていいでしょう。
しかし、そういう山はすなわち「人がいない」というアドバンテージを持っています。
登山口からのコースタイムはわずか45分。
軽いわりに、眺望に優れた山です。
前半はつづら折りでそれなりの勾配ですが、肩へ出てしまえばあとは緩やかです。
これでもかというぐらい目印が打ってあるので迷う心配はありませんが、ちょっとマイナーな山だとこういう「尾根(あるいは谷)が不明瞭な道」ってかなり恐怖を感じます。
個人的には痩せ尾根での滑落よりはるかに怖いです。
13:30、あっさり登頂。
道中、すれ違ったのは2組だけで、山頂は無人。
穴場とはまさにこのこと。
飯を食っていると、すごく幸せそうなファミリーが登ってきました。
「どこか泊まるんですか?」と訊かれ、歩荷トレーニングですと説明。
お父さんは甲武信ヶ岳にもう飽きるほど行ったとのこと。
そんなに行ってしまうならきっと何かがあるのでしょう。
今後行きたい山リストに追加。
雨乞山山頂から見て、谷川岳と武尊山の間、この写真の左奥の遥か先に、山屋として当面の目標としている地点「利根川水源碑」があるはずです。
待っておれよ、と念じながら下山開始。
見る人のためにはあらでおくやまにおのがまことを咲くさくらかな
(読人不知)
こういう歌がブッ刺さっちゃうあたり、営業や広報にはつくづく向いてないなあと感じます。
誰かおれの著書宣伝してくれ(・∀・)*1
15:00、無事下山。
周辺の里の風景も含め、たいへん綺麗な山でした。
アクセスの悪いマイナーな低山も侮れません。
全国にこういう場所がたくさんあるはず。
そういうところを紹介していく仕事があればぜひやりたいのですが、それならカメラを学ばないとなあ……(沼が怖くて及び腰)
低山でも侮れない
というのは、「遭難」に関しても言えることです。
登山アプリ「YAMAP」の統計によると高尾山以上に人気なのが六甲山ですが、年間50件以上の遭難事故が起きているそうです。
ほぼ毎週誰かが遭難している計算になります。
―まず、六甲山で起こっている山岳遭難の統計について簡単に教えてください。
2019年度の六甲山では、82件の山岳遭難事故が発生し、93名の方を救助しました。内訳としては道迷いが32件と最も多く、全体の39%を占めています。また60歳以上の年配の方が43名と、こちらも高い割合となりました。
―警察庁が毎年発表している統計でも、道迷いを原因とする遭難は全体の約40%と高い割合を示しており、それとほぼ同じ数字ですね。道迷い遭難が発生する原因には、どのようなものがありますか。
よくあるのは、GPS機器や地図+コンパスを持っていない、持っていたとしても使い方が分からない、といったケースですね。そういった方たちは道案内の看板を頼りに歩いていることが多く、看板と看板の間で間違った道に入ってしまうと、正しいルートに復帰できないことが多々あります。また、年配の方などは、GPSアプリの使い方が分からないということもあるようです。
もうひとつ多いのが、詳細な登山計画を立てていないケースです。どこを何時に通るか・何時に下山するかといった計画を立てていないと、想定よりも時間がかかって日が暮れてしまい、道が分からなくなって迷うことがあります。そしてヘッドライトなどを持っていないと、スマホのライトで下山しようとしてバッテリーが切れかけてしまい、仕方なく通報した…というケースがあとを絶ちません。たとえば北側の有馬温泉から三宮市街へ抜ける人気ルートを歩こうとしている場合でも、全体の行程としてはそれなりに時間がかかります。低山だからといって気軽に、そして大雑把に登ってしまうと、道に迷って遭難してしまうことがあります。
逆に言えば、GPS機器や地図を持っていて自分の現在地を正確に把握できること、詳細な登山計画を立てていること、この2つが揃っていて道迷いが原因で遭難してしまうケースはまだ見たことがありません。
ちゃんと15:00に下山できる登山計画を立てていれば遭難の可能性は低く抑えられます。
しかし、実は自分(たち)がコースタイムに対してどのぐらいの速さで歩けるのかというデータがないと、登山計画は立てようがありません。
「初めての登山」の場合、「コースタイム通り+休憩時間」で計画することになると思いますが、普段体を動かす仕事をしていなければコースタイムより遅いこともザラにあるので、下山が15:00ギリになるようなプランだとちょっと危険です。
まずは人気のメジャーな低山、つまり高尾山や六甲山で自分の歩くペースを知りましょう――と言いたいところですが、その六甲山で度々遭難が起きているわけです。
救助隊やガイドの皆さんも、初心者にどう呼び掛ければ事故を減らせるのか、日々お悩みのことでしょう。
*1:もうそんなことを言っていられる時代ではない