それにしても語彙が欲しい

脚本家/フリーライター・森山智仁のブログです。ほぼ登山ブログになってしまいました。

地図読みの訓練をしてきました

僕は登山部やオリエンテーリング部に所属していたわけではなく、「地図読み」をイチから教わったことがありません。

ヤマケイオンラインでルートを組むとタイムも高低図も自動的に出力されるので、明瞭な登山道を歩いている限り地図の読み方が甘くても何とかなってしまうのです。

わりと険しい山にも入っていける体力はすでに持っているはずですが、地図読み能力が不足しています。

というわけで、一度行ったことのある高水三山で地図読みの訓練を行うことにしました。

 

計画

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高水三山だけだとさすがに軽過ぎるので、棒ノ折山まで足を伸ばします。

それでもコース定数は30少々しかないので体力アップは望めませんが、じっくり地図見ながら行きたいのと、一昨日の雪が残っている可能性が高いので、これで十分と考えました。

結果、ちょうどよかったです。

 

準備

まずヤマケイオンラインで作った地図を印刷します。

 

ヤマケイ使うんかい。

いや、ええねん。

  • 数値計算は文明に任す。
  • 山でアプリは使わない。

そういうスタンスです(・∀・)

 

実は地図読み勉強しようと思ったきっかけは、好日山荘でふと手に取った『PEAKS』で、

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この雑誌だと確実性優先なのか結構アプリ推しだったのですが、単純に頼りたくない+バッテリー気にしたくないので、アプリは封印します。

 

さて、印刷した地図に色線を引いていきます。

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オレンジが「尾根」、ブルーが「谷」です。

これをやるだけで地形のイメージがぐっとクリアになりました。

 

嘘です(・∀・)

まだそこまでの能力はありません。

が、この作業をやっておけば現地で「この尾根は地図上のこれだ」と特定する上で役に立つことでしょう。

 

実践

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すごいお月様を見つつ、ほぼ始発で軍畑駅へ。

 

7:30、行動開始。

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えーと、あの谷は、コレだな?

などと、登山道に入る前からいちいちチェックしていきます。

 

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一度来てるし、左行きゃいいって書いてあるんですが、「整地」で確認します。

「現在地と目的地が体の前でまっすぐになる向き」で地図を持って、「コンパスの北と磁北線が一致するように」体を回転すると、そちらが目指す方向です。

 

しかるべきコミュニティなら初日に教わる技術かもしれませんが、僕はこの時初めてちゃんとやったわけです。

もちろん地図とコンパスは毎回持ってましたが「だいたい西だからあっちでいいんだよな」ぐらいの使い方しかしてませんでした。

 

何度かやってみて、「先入観を捨てるためにあえてあらぬ方向を向いてから体を回したほうがよさそう」と感じました。

はじめから「合ってるはず」の方向を向いてしまうと、無意識に誤差に目を瞑ってしまうと予想されます。

 

8:00、高源寺に到着。

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登りに備えて、揚げ物を挟んだパンを腹に入れます。

これ食っときゃ大抵の登りは大丈夫です(・∀・)

 

※周囲の安全を確認の上、画面を見ずに撮影しています。

 

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お、やはり雪が残ってる!

軽アイゼンの出番があるかも。

 

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磁北線がこうだから地図の向きはこう!

だいぶ慣れてきたぞ。

 

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9:00、常福寺に到着。

標高が上がるにつれてだんだん雪が増えてくるのが面白いです。

 

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あの山はなんだろな~。

と思った時は……

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そちらを向いたまま地図を整地することで、山の名前を調べられます。

手前の白いのが高水三山の一つの惚岳山で、奥が御岳山と大塚山ですかね。(ここまでやって違ったら恥ずかしいな)

 

9:30、岩茸石山に到着。

 

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左奥は赤杭尾根、これから目指す棒ノ折山は右の深緑色の尾根の先ですね。

今まで標識や人様に教えてもらっていたことが自力で確認できるようになるの、結構楽しいです。

 

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かなり雪が残っていたので、山で初めて軽アイゼンを履いてみました。

名坂峠までのほんの短い区間でしたが、とにかく一度山で着脱するという経験ができてよかったです。

 

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遠くにちょこんと顔を出してるのは富士山かな?

えーと、今は北西に進んでるから、左手に見えるのは正解。

今はカーナビやGoogleマップがありますが、昔は富士山が目印として相当重宝されたでしょうね。

 

11:00、黒山の手前、見晴らしの良いピークでごはんにします。

時間は少し早いですが、岩茸石山の山頂が風あって寒かったのと、名のある山頂は今の時期でもそれなりに混むだろうと踏んで、防風林があって眺望もあって誰もいないこの場所がごはん最適地と考えました。


12:20、権次入峠(ごんじりとうげ)から最後の登り。

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雪まあまあ積もってますが、柔らかいのでアイゼン履く感じじゃないです。

低山の1〜3月はアイゼンよりスパッツ(雪が靴に入るのを防ぐ)のほうが重要だなと感じました。

 

12:30、棒ノ折山登頂。

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いい天気!

飯能市街や金毘羅尾根が見渡せます。

 

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さて帰りましょう(あっさり)。

 

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わさび作ってる!

おいしそう。

 

一気に下っていって、13:30、無事下山。

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最後は「左に見えるあの尾根の先が奥茶屋」と予想してピッタリ合ってました。

今日一日で「地図」への距離感がだいぶ縮まった気がします。

 

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誰もいないキャンプ場や静かな集落を眺めつつ、舗装された道を歩いていきます。


14:40、川井駅そば、奥多摩大橋に到着。

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左奥に見えるのが大岳山・御岳山縦走で登った「日の出山」ですね。

 

ちょうど電車が行ってしまったばかりだったので、Googleマップで調べて(もう下りてきたから使ってよし)、往復30分の「千鳥わさび園」へ。

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わさびのりとわさびせんべいを購入しました。

 

川井から一駅、御嶽で乗り換えて、ホリデー快速で一気に新宿へ。

17:30、帰宅。

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これは重大な決意なんですが、「単独で山に行った日は休肝日」と制定します。

「疲労に頼れば眠れる」という判断です(アル中じゃねーか)。

わさびのりをちくわにでも塗ったら最高のつまみになるでしょうが、今夜は我慢します。

※我慢できました。おめでとう自分。