それにしても語彙が欲しい

脚本家/フリーライター・森山智仁のブログです。ほぼ登山ブログになってしまいました。

1人で遊べるボードゲームのレビューと解説③「パンデミック」

今回は「パンデミック」という作品を紹介します。

本来は2~4人で行う協力型のゲームです。

1人で2~4役こなすことで、ソロプレイが可能です。

 

ルールはそこそこ複雑なほうです。

ネット上にいろいろな解説記事・解説動画がありますが、本稿は「入っていきやすさに特化した解説記事」を目指したいと思います。

よろしくお願いします。

 

 

概要

4種類の病原体が世界中に蔓延し始めたところからゲームスタートです。

手遅れになる前に4種類の治療薬が完成したら勝利となります。

 

プレイヤーは医療研究チームのメンバーです。

全員が異なる能力を持っている――というのがこのゲームの醍醐味なのですが、今回はあえて能力の部分を省略して説明していきます。

 

準備

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全員、アトランタからスタートする決まりとなっています。

白いおうちは「調査基地」です。(あとで説明します)

 

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「感染カード」をよく切り、ボード右上の置き場に置いて、3枚めくります。

 

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指定された3つの都市に、同じ色の「病原体コマ」を3コマ置きます。

 

同じように感染カードを3枚めくり、今度は各都市に2コマずつ置きます。

さらに3枚めくり、今度は1コマ置きます。

 

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コマの数はその都市での感染度合いを示しています。

3コマ積まれている都市には急いで救出に向かわなければいけません。

 

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各プレイヤーは初期手札として2枚ずつ「プレイヤーカード」を持ちます。

本当は他にも細かな準備があるのですが、とりあえずこれで準備完了とします。

 

ターンの流れ

  1. アクションを4回行う
  2. プレイヤーカードを引く
  3. 感染カードをめくる

というのがワンセットです。

 

プレイヤーが行えるアクションは8種類もあるのですが、一気に説明せず、よく使うものから説明します。

 

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紫のプレイヤーが最初の手番で、

「マイアミへ移動」→「ボゴタへ移動」→「ブエノスアイレスへ移動」→「ブエノスアイレスで治療」

という4つのアクションを行いました。

「移動」は隣の都市への移動、「治療」は病原体コマを1つ取り除くことです。

 

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アクションが終わったら、ボード右下に置いたプレイヤーカードの山から2枚引いて手札に加えます。

 

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手札が4枚になりました。

 

何の意味があるかというと、1人が同色のカードを5枚集めることで治療薬を作れるようになります。

前述の通り、治療薬が4種類とも完成したら勝ちです。

各都市に行って治療を行うのは一時凌ぎに過ぎません。

 

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手札を引いたら感染カードを2枚めくって、出てきた都市に病原体コマを1個ずつ置きます。

プレイヤーたちが治療や研究を行っている間にも感染が広がっているということです。

 

エピデミックの処理

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プレイヤーカードの中には4色の都市カードの他に、

  • エピデミックカード(引きたくないやつ)
  • イベントカード(いつでも使える便利なやつ)

が混ざっています。

 

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エピデミックカードを引いてしまったら、

  1. 感染マーカーを1段階進める。
  2. 感染カードの山の一番下を1枚めくって、そこに病原体コマを3つ置く。
  3. 感染カードの捨て札(今めくったカードを含む)をシャッフルして、山札の上に戻す。

という処理を行います。

一度感染が起こった都市ではまた感染が起こりやすいということになります。

※感染マーカーについては今回は解説しません。

 

治療薬の作り方

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さて、全員が最初のターンを終えた時点で、手札はこんな陣容になりました。

緑のプレイヤーが黒を3枚持っているので、彼女に黒を集めてもらいましょう。

プレイヤーカードは特定の条件を満たすことで受け渡しが可能です。

 

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オレンジのプレイヤーが手札を消費してパリに調査基地を建設しました。

「調査基地の建設」もアクションの1種です。

今いる都市のカードを捨てることでそこに基地を作ることができます。

基地のある都市から基地のある都市へは1アクションで移動できるようになります。

 

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基地を作ったのはいいのですが、そのターンの感染カードをめくるフェイズで、すでに3個の感染コマが置かれているアトランタが出てしまいました。

3個置かれている都市で感染が起こると「アウトブレイク」が発生し、4個目を置くのではなく、周辺の都市に1個ずつコマを置くことになります。

真面目な話、家から出ないでくれと呼びかける気持ちを体験でき、医療関係者への感謝が自然と沸いてきます。

 

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紫のプレイヤーがカイロまで移動してきて、先ほど引いたイベントカード「空輸」を使って緑のプレイヤーを同じカイロへと移動させました。

 

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緑のプレイヤーが紫のプレイヤーからカイロの都市カードを受け取りました。

「知識の共有」もアクションの1種です。

両者が同じ都市にいればその都市のカードの受け渡すことができるわけです。

 

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その後なんやかんやあって、緑のプレイヤーが無事5枚の黒を集めました。

「治療薬の開発」を行います。

調査基地にいる時、同色の手札を5枚捨てることでその色の治療薬が作れます。

 

敗北条件

  • プレイヤーカードの山札が尽きる
  • いずれか1色の病原体コマのストックが尽きる
  • アウトブレイクが8回起こる

のいずれかで、プレイヤー側の負けとなります。

そうなる前に治療薬を4色とも作れたらプレイヤー側の勝ちです。

 

特徴

混ぜ込むエピデミックカードの枚数によって難易度の調整が可能です。

哀れにもソロプレイをやり込んでしまったので、初級レベルなら5割ほどの確率でクリアできるようになりましたが、それでも5割です。

相当計画的に進めないと、治療薬をコンプする前に山札が尽きます。

かなり骨太のゲームと言えます。

 

今回は簡略化のためキャラクター固有の能力に触れませんでしたが、実は全員の能力をフル活用しないと攻略はほぼ不可能です。

ランダムに割り振られる役職と、最初の感染都市、初期手札によって、毎度違った展開を味わえるようになっています。

 

友達とやったほうが絶対面白いに決まってますけど一人でも楽しめるので、ぜひやってみてください(・∀・)