兼業作家の定義って何だろう
確定申告のシーズンが嵐のように去っていきましたね。
少し前の話ですが、ノベルジャム2018優秀賞受賞作品『バカとバカンス』の著者・天王丸景虎さんがツイッターでこんなことを言っていました。
そもそももう業として怪しくなってきてるのを、兼業を勧めることによってなんとか維持している感がある。普通にサラリーマンとして就職したら社長から「うちあんまりお金出せないから兼業してね」と言われる地獄感。
— 天王丸景虎3.0 (@10kgtr) 2018年3月14日
まぁサラリーマンと個人事業主を一緒にしたらダメだけど。
ぼくの場合は、専業を志向しないという宣言でしかないけどね。あと、むしろ他で稼いだ金で作家活動を充実させるという宣言でもある。アートは金がかかるものだ
— 波野發作@真のNovelJamをまだ誰も知らない (@fuliefool) 2018年3月14日
収益にこだわるというよりは、収益出ないのに「業だ」ってあくまでも主張し続けたり、あたかも「利益出るんですよ」みたいに実態を偽るのがなんだかなぁって話ですお。
— 天王丸景虎3.0 (@10kgtr) 2018年3月14日
僕自身のスタンスは波野發作さんに近いのですが、景虎さんが言っていることもよくわかります。
「兼業作家」の定義は?
作家として1円でも稼いでいたら兼業作家を名乗ってもいいとは思います。
でも、僕のイメージでは、
- 主な収入源は別にあって、書きたくて書いた作品で年間20万円以上稼いでいれば「兼業作家」
- 書きたくて書いた作品が最大の収入源で、貧乏でも生活が成り立っていれば「専業作家」
- そのどちらでもなければ「小説を書いている人」
- 書きたくて書いた作品で年間20万円以上稼いでいても自活できていなかったら「ニート」とか「ヒモ」(※病気の人はしょうがない)
です。
ヘイトを減らすために言いますと(・∀・)、僕は親戚からの援助だけで生活していた=実質ニートだった時期が数年間あります。
上の定義に照らせば
僕は「小説を書いている人」です。
一応、本業はライターで、中には作品と呼べるレベルで自由に書かせていただいている記事もありますが、その原稿料の合計は年間20万円未満です。
外注の脚本を足してもまだ届きません。
ちなみに脚本の書き下ろしは「一般前売チケット30枚分」と設定しています。
一般前売3000円なら9万円ですね。(ご新規様はお試し価格で承っております)
1~2時間の脚本を書き上げるのにかかる期間はおよそ1~2ヶ月、リサーチや構想をのぞいた執筆そのものの作業時間は80~120時間程度です。
作品のセルフパブリッシングは先日のノベルジャム2018でまだ始めたばかりです。
初月の売上冊数はトークメーカーで晒しました。
アマチュア宣言は本来NG
読者はみんなプロの上質な作品を読みたいはずです。
あえてアマチュアの作品を読んでやろうという奇特な人は滅多にいません。
ですから、実態がどうあれ、「脚本家・小説家として稼いでます」とか、「作家でごはんが食えてます」みたいにアピールするのがきっと正攻法です。
でもそれはみんなやっていることなので、試しに正直なことを書いてみました。
今回限りでもうヤメようと思います(・∀・)
できれば「専業作家」になりたい
そりゃあ作品を書いている時間が一番楽しいです。
※今のところ「仕事」ではないから「楽しい」のかもしれません。
ノベルジャム2018に参加したことで、広義では僕は小説家デビューしたことになると思いますけれども、うちの親には全然ピンと来ていないはずです。
親を喜ばせるためにも、新人賞を取って出版社のお世話になって書店に紙の本が並ぶことが(引き続き当面の)目標です。
でも、新人賞を取っても一冊出て終わりなんてことはザラなわけで、セルフパブリッシングで収入を得られる仕組みが存在するというのは、やはりとても夢のあることだなあと思います。