それにしても語彙が欲しい

脚本家/フリーライター・森山智仁のブログです。ほぼ登山ブログになってしまいました。

本格登山も高尾山から始めたほうがいい二つの理由

密を避けられるレジャーとして登山が人気

初心者の遭難が増加

 

という流れがあるそうです。

 

 

これから本格的に登山をやろうかと考えている人は、まず高尾山、あるいは高尾山レベルの山に行ってください。

経験者が一緒なら話は別ですが、初心者のみで丹沢の大山はちょっと早いです。

 

高尾山は常に混んでいるので「密を避けられるレジャー」と言えるか怪しく、「高尾山ぐらい登れるわ舐めんな」と思われるかもしれませんが、それでも、いったん改めて高尾山に行ったほうがいい理由を二つ説明します。

 

①コースタイムに対して自分が何倍の速さで歩けるかわかる

このデータがないと登山計画は立てられません。

 

まずは高尾山の地図をご覧ください。

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赤い数字がコースタイム=「休憩を含まない標準的な所要時間」です。

多くの人が「自分だけは詐欺に騙されない」と思っているように、「自分は標準の速度で歩ける」と思っている人が(山をやろうという人なら特に)多いはずですが、本当にそうなのか確認が必要です。

 

下記の手順で、自分の足を知ることができます。

  1. ヤマケイオンラインでコースタイム計画を立てる。
  2. スタート時刻とルートは計画を守る。
  3. スタート以降は計画を無視し、「無理のない速度」で歩きつつ、各所で到達時刻をメモしておく。スマホで適当な写真を撮るのが楽。
  4. 下山後、コースタイム計画と自分の到達時刻を比較する。

 

こちらがコースタイム計画の一例です。

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例えば、高尾山口駅を9:00に出発して、コースタイム通り(1.0倍)のペースで歩いたら、山頂には10:40に着くはずです。

実際の到達時刻が10:30なら0.9倍、10:50なら1.1倍のペースで歩いていたということがわかります。

 

計画段階でのコツは小休止を入れないことです。

何となくポイントごとに数分の小休止を入れたほうが良さそうに思えるかもしれませんが、いつ疲れて、どのぐらい休んだら回復するのか、そんなことは計画段階でわかるわけがありません。

小休止は随時(厳密には明確な疲れ・空腹・渇きを感じる少し手前で)取ればいいのです。

コースタイムは「休憩を含まない標準的な所要時間」ですが、「小休止を含めてコースタイムの何倍で歩けるか」というデータのほうが有益です。

※山頂でおそば食べる等の確定的な休憩(いわば大休止)は計画に織り込んでください。

 

なお、この実験でコースタイムより早かったとしても、自分はコースタイムより早く歩けると断ずるのは危険です。

何故なら長時間・大荷物だと話は変わってくるからです。

僕は軽装で8時間ぐらいならコースタイムの0.8倍で行動できますが、重装で登り下りを繰り返して6時間を超えた時、終盤の登りは1.2倍ぐらいに下がっていました。

気温や体調によっても変化するはずです。

 

自分の足に対する知見は登山を繰り返して積み上げていくしかないわけですが、その起点となるのが高尾山でのデータというわけです。

 

参考記事:

www.yamakei-online.com

 

②登山を楽しめるかどうかがわかる

こっちのほうが重要かもしれません。

 

一般的に登山って「道中苦しいからこそ山頂での景色や弁当がより楽しめる」みたいなイメージじゃないでしょうか。

そういう側面は確かにあるんですが、道中がいっさい楽しくない人は、どれだけ体力があっても、あまり登山に向いていないと考えています。

自然の中を歩くこと自体を楽しいと思えるかどうか、それをまず高尾山で確認したほうがいいです。

 

高尾山ならてきとーな運動着とスニーカーでも登れます。

「楽しめる」「やっていきたい」という実感が得られてから、登山靴その他の道具を買い始めればいいと思います。

 

これは憶測ですが、「高価な三種の神器をいきなり買っていきなり大山に行き、登山つらいだけで楽しくないじゃんってなって、無駄な買い物になってしまった」というケースが山ほどあるんじゃないでしょうか。

そういう悲劇を防ぐためにも、ぜひ高尾山に行ってみてください。

「言うほど楽しいかこれ?」っていう感想も十分あり得ます。

そうなったら他のことにお金を使ったほうが幸せです。

 

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