それにしても語彙が欲しい

脚本家/フリーライター・森山智仁のブログです。ほぼ登山ブログになってしまいました。

「プロフィールに実績を書いていないライターはアウト」

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こちらのツイートについて、ライター界隈でちょっと話題になっています。

 

 皆様の反応

 

 

 

言われるべきことはすでに出揃っている感じですが、僕もおそらく、なかのの夫さんがおっしゃるところの「アウトなライター」なので、ちょっと喋ります。

 

僕の場合

  • プロフィールに「実績」「ブログor公式ページのURL」等を掲載してなければその時点でアウト→公式を掲載してるからセーフ
  • 記事タイトルが何のキーワード狙ってるかわからない→(このブログでは)別に狙ってないからアウト
  • 文章が稚拙→そんなはずはないからセーフ(・∀・)

です。

 

なかのの夫さんの追記にも触れてみると、

  • そもそも自分でブログやった経験なく、クラウドソーシングで未経験OKの案件を受けた→ブログ歴約8年、クラウドワークスで未経験OKの案件を数本やって「やってられるか」と思ってヤメ
  • 1000〜2000文字程度でSEOの技術・知識が求められない案件を受けてる→確かにそれもやってる
  • 月10本も書いてない→長めのテキスト書くタイプの記事は月15本ぐらい

です。

 

僕のSEOの知識・実績はせいぜいレベル2といったところでしょうか。

とりあえずこのブログは1日の平均訪問者が30~40程度であり、ライター業だけで食べている人から見ればクソザコナメクジブログに違いありません。

全力で収益化してみろと言われたら、やればできそうな気もしますが、できたことがあるわけではないので「実績」ではないわけです。

 

なかのの夫さん基準で考えると僕はたぶんアウトです。

 

同意できる部分

ツリーをさらに掘っていくと、こんな風におっしゃっています。

> 大事なのは、お仕事受けたときにお金を出してくれる人をがっかりさせないようにすること。

ここは同意できる部分です。

確かに、仕事を受けるために名乗っているなら技術を持っていないといけません。

 

「すでに灯体が仕込んであるライブハウスで照明オペをやったことがあるだけの人」が「照明家」を名乗って「演劇の照明チーフ」を引き受けたら大変なことになります。

 

しかし、なかのの夫さんのツイートには

見落とされている点

があります。

 

お金を出してくれる人ががっかりするというのは、

「ライターおらんかな~」→「おっ、あんたライター名乗ってるやんけ! 仕事頼むわ!」→「全然仕事できんやんけ騙されたわクソが……」

セリフにしてみるとこういうことです。

 

こんなこと、本当にあり得るでしょうか?

 

あったとしたらそれは依頼者が迂闊なだけです。

常識的に考えて、「数字であり、実績であり、成果物」を掲げているライターにしか頼まないはずです。

つまり、なかのの夫さんがおっしゃるところの「アウトなライター」は、放置しても問題ないと言えます。

 

実際、僕は自分で自分の公式サイトを作って実績(大量の無署名記事を除く)を公表していますが、面識のない方から「何か書いてくれませんか?」と依頼されたことは一度もありません。

ご注文をくださるのは皆、直接の知り合いばかりです。

 

SEO対策が出来ている記事=クオリティの高い記事なのか?

この問題を考えてみましょう。

 

なかのの夫さんはすでに

> もちろんライターにも色々あるのは承知してます。

> たとえば翻訳などの特殊な例もあるし、文字数やSEOの知識、実績だけが全てではありません。

とおっしゃっているので、「ライターにも色々あるだろ」とは言いません。

 

とりあえず、個人がブログで稼ぐにはSEOの知識は必須です。

企業からの依頼が「上位に表示される記事を書いてくれ」という場合もあるでしょう。

 

では、上位に載る記事=クオリティの高い記事なのでしょうか?

 

その通りと言える部分もあります。

Google先生は記事の内容(単語や構造)だけでなくユーザーの行動も観測して、検索したユーザーが満足する可能性の高い記事が上位に来るように計らっています。

ですから、上位に来る記事は「知りたいことが書かれている可能性が高い」という意味で、クオリティが高いと言えます。

 

しかし、サイゾー系のニュース(笑)サイトや「いかがでしたか?」系のクソブログが余裕で上位に来ているように、Google先生にもだいぶ脇が甘いところがあります。

見識のある人々が一つ一つ目を通して「この記事はヨシ!」「ダメ!」などと判別しているわけではなく、ロボット任せなので、どうしても隙は生まれます。

 

ユーザー目線で書かれた記事が上位に来やすいのは確かですが、SEOに強い記事というのは厳密には「ユーザーではなくGoogle先生を喜ばせている記事」なのです。

世界で一番使われている検索ツールがGoogleでなく、その運営がGoogleとは違う考え方をしていたら、検索結果はガラリと変わってくるはずです。

 

Google先生一人の採点に一喜一憂するのは「なんだかなあ」と思います。