登山地図アプリを使っていて地図読みはできるようになるか
雑誌や大手のサイトは「大丈夫!」と口を揃えますが、それなりに紙地図を使い込んでからジオグラフィカをダウンロードした身からすると、「ならなくね?」というのが率直な感想です。
理由は二つあって、一つは
- 現在地が常に表示されているから
です。
地図読みにて最も重要なのが「現在地の特定」であり、それが起動と共に済んでしまうGPSでは、どう頑張っても「諸々の情報から現在地を特定する技術」は身につきません。
=の先が書いてある計算問題みたいなものです。
眺めるだけで解けるようになるわけないですよね。
そしてもう一つは、
- 読まなくても大丈夫だから
です。
現在地がわかった上でも、周辺の地形・この先の勾配や無名ピークの数・それに伴う回復適地・迷い込みかねない尾根筋や谷筋など、地図から読み取れる情報は色々あるわけですが、別に読み取らなくてもゴールまで行くことは可能です。
しかもGPSを使っている限り、道から逸れてもGPSを見ながら引き返せばいいだけです。
正直、町でGoogleマップを使っているのと感覚的には大して違いません。
やらなくてもいいことを人間はやらないものです。
洗濯機があるのにわざわざ洗濯板の使い方を学ぶ人がどれだけいるでしょうか。
自分自身、もし最初からGPSを使っていたら、何年やっても地図読みができるようにはならなかっただろうと思います。
さらに言えば、使い始めてしまったので、今後衰えていくような予感さえします。
と言っても、道迷い遭難対策としてGPSが最強なのは間違いありません。
雑誌や大手サイト、警察がGPS推しなのは当然だと思います。
変に紙地図にこだわって迷うより、GPSに頼って安全に帰ってくるほうが絶対いいです。
紙地図での地図読みを習得していない状態でGPSを使うリスクとしては、
- スマホの紛失
- スマホのバッテリー切れ
- スマホの故障
- GPS関連のトラブル
等々が挙げられます。
ちゃんと地図・コンパスを携行していたとしても、突然GPSをロストしたら、そこから急に地図・コンパスを使いこなすことはかなり難しいはずです。
最後に見たのがいつかにもよりますが、おそらく現在地がわからないでしょう。
よって、GPSを推奨するのは賛成なのですが、
「GPSを使っていても地図読みはできるようになる!」
と声高に言うのはどうなんだろう……というのが僕の考えです。