文学フリマ参戦記
文学フリマに個人で初参戦したレポートです。
①概要
ステータス
- 昔14年間ほど劇団の主宰者をやっていたけれど最近プロデュース公演もご無沙汰だし書いた作品も演劇一切関係ない
- ほぼ週一で山に通う山バカ
- 約40000文字の登山小説を書いた
アイテムとブース
出品したのは小説の短編集1作品のみです。
ちょ古っ都製本工房さんにて、A5の表紙カラー・本文モノクロ・くるみ・中とじ冊子の8営業日コース。
1作品しかないけど1ブース(長机半分)じゃ狭そうだったので、2ブースで申請しました。
価格設定
500円としました。
印刷した50部が完売すれば印刷費・ブース代がだいたいペイできるぐらいの計算です。
まぁ50部も売れるとは思っていませんでしたが、1000円にしていたら売れた冊数が半分以下になっていた可能性もあると見ています。
結果
27冊も売れました。
ソロにしては結構頑張ったほうだと思いますがどうなんでしょうか。
②準備段階
執筆
本番が11月下旬。
安いプランで、かつ余裕をもって印刷するなら10月末に入稿すべきと考え、6月からおよそ月1本のペースで書き、予定通り10月中旬に5本の短編が揃いました。
表紙は、Noveljamというイベントで知り合い、その後何冊も本のデザインをやっていただいているsugiura.sさん(ヨロシクデザイン制作所)にお願いしました。
【おしごと報告】
— 草太朗 (@0529Staro) November 7, 2022
文学フリマ東京35、森山智仁さん @bacoyama の小説の装丁をデザインしました。BCCKSでもリリースされてますね https://t.co/pgj2ly7BCYhttps://t.co/GiKxmkT9Ms #文学フリマ東京
注文・入稿
11/20(日)開催に対して、11/14(月)までに商品が自宅に届くよう手配しました。
印刷所から直接会場に送ってもらう形は、スケジュールが慌ただしくなるし、ちゃんと届いているかドキドキするので、最後の手段としていました。
A5サイズの50冊ならキャリーで楽々運搬できる物量です。
電子版
紙版の入稿と同時に、BCCKS経由で各電子書籍ストアに配本を申請しました。
これは、
- もし気になったらすぐ買える状態で告知するため
- レビューがつけば販促材料になるため
です。
宣伝
- こういった展示即売会は事前の宣伝が命
- Twitterでガンガン宣伝すべき
という意見をよく目にしますが、個人的にはTwitterで「ガンガン」宣伝することには懐疑的です。
さほど効果がないか、長期的に見ればうるさい宣伝は逆効果まであると見ています。
Twitterの多くのユーザーはみんなの「つぶやき」を眺めたいのであって、「告知」をチェックしたいわけではないはずだからです。
実際、僕の登山アカウントは、手前味噌ながら普段のツイートはそこそこの確率でプチバズるんですが、
登山者ならきっとみんなわかるクイズ。 pic.twitter.com/HtHugAwUyE
— やまこ (@yamako_yamalove) October 17, 2022
それに比べて告知はあまり伸びていません。
11/20(日)東京流通センターで開催の #文学フリマ東京 で、自作の山岳小説『生身登山禁止条例 他四篇』を販売します。というわけで今週は1日1作品ずつ内容を紹介させていただきます。宣伝すみません🙇♂️ デザインは山の先輩でもある @0529Staro さんです。 pic.twitter.com/wWmXDFuSnn
— やまこ (@yamako_yamalove) November 13, 2022
登山アカウントは幸い好感度が高いようなので(・∀・)、告知は慎重に行いました。
直前1週間で1日1ツイートしたのもかなり攻めたほうです。
一方、古くから使っている本アカウントは最早、登山垢の裏垢みたいな感じになっており、あまり気を使う必要がないのでわりと無計画に文フリ関連のツイートをしましたが、一応うるさくならないようには心がけました。
あと、YouTubeで動画も作ってみました。
あまり再生されていませんが、少しは効果があったのかもしれません。
- 人間は友達から告知をされたくない生き物である
- フォロワーの大多数が「友達」でなく「ファン」のアカウントでないと告知の効果は極めて薄い
というのが、演劇・文筆活動をそれなりに長くやってきた上での結論です。
では、ファンを抱えたアカウントでない人(自分もそう)には打つ手はないのか。
最初から当日の陳列勝負と見ていました。
③当日の動き
設営ボランティア
オープンは12:00。
出店者の設営受付開始は10:30。
8:20に集合して、設営ボランティアに参加してきました。
体力・精神力共に余裕があったからです。
設営ボランティアした。いや〜いい汗かいたぜ。 #文学フリマ東京 pic.twitter.com/b6nXEg88bQ
— 森山智仁 (@bacoyama) November 20, 2022
こういうことは余裕のある人間がやるべきという使命感があります。
古来より人間社会は、法律だけでは成り立たず、「少し浮いた人間が多く支払うことによってなんとか切り抜けてきた」という考えです。
ちなみに、こういった広い会場での設営作業は、
- 最初はスタッフのすぐそばで説明を聞く
- 行動開始後は視野を広くして手薄なところに回る
のがコツです。
ボランティアに参加してもあとでスタッフが本を買ってくれるとかそういうことは一切ありませんでしたが、終了次第、自分の設営を開始できるのはかなりのメリットです。
9:30頃、予定より早くボランティアが終わって、ヒマ過ぎるかと思いきや、じっくり配置してしたらいつの間にか11:00になっていました。
駅前で昼食を取り、ちょうど落ち着いてオープンを迎えられるぐらいの感じでした。
ディスプレイ
こんな感じです。
手持ちの登山道具を盛大に並べることで、登山愛をアピールしました。
人工芝を使うのはsugiura.sさんのアイディアです。
過去の作品等を紹介するPOPを立てるのには百均グッズを使いました。
A3のポスターを貼っているのは、本来ゴミ袋を掛けて使うやつです。
接客
金庫には機動力のあるポシェットを使いました。
鍵付き金庫は動き回るのに不便であり、釣銭込み10万以内かつ会計がさほど慌ただしくないならポシェットやサコッシュで十分です。
「セールストークをしない」と公言し、一切の呼び込みをせず、基本的にはずっと他のブースで買った作品を読んでいました。
moriyamatomohito.hatenablog.com
いざお客さんが目の前に来た時どう振る舞うかが最初は手探りだったのですが、「読んでいる本はいったん閉じて、顔をガン見せず無言待機」という形に落ち着きました。
呼び込み・売り込みをしないことで機会を逃した感じはしませんでした。
買う人は買ってくれる、という手応えです。
あと、ふせんで手前の二冊に「立ち読みどうぞ」と貼ったのはかなり効果的だったようです。
というか、「立ち読みいいですか?」と訊かれてようやく、「そうか、立ち読みしていいかどうか何も書かれていないとわからないのだ」と気づいて、その場で足したのでした。
以上です。
今後参戦される方の参考になれば幸いです。