それにしても語彙が欲しい

脚本家・フリーライター森山智仁のブログです。毎週土曜or日曜(&気まぐれ)更新。

登山を文章で表現することについて

主人公が登山を始める話を書くために登山を始めまして、もはや好日山荘に行く予定だけでちょっとワクワクするなど、かなり早いペースで自分が山化しつつあるのを感じています。

 

少し前に読んだ、角幡唯介さんのノンフィクション『極夜行』を読み返してみたところ、読み取れる情報量が全然違って、たった三回の経験でこんなに変わるものかと驚いています。

初読時は完全に雰囲気だけで読んでいたわけです。

雰囲気だけでもぐいぐい読めるので凄い作品なのですが。

 

高尾山以外の「山」の様相、危険性、装備の必要性、諸々の数字が意味するものなど、いろいろな情報が急速に入ってきました。

しかし、インプットしたからアウトプットもできるかというと、そんなおいしい話はありません。

文章で表現するにはまた別の能力が要求されます。

 

実際に主人公が山を歩くシーンを書いてみると、単独行ゆえに会話のないシーンが延々と続いて、

「(おれは面白いつもりだが)読者は大丈夫なのか……?」

と不安になります。

 

『ゆるキャン』のしまりんはソロ派ですが、友達とのLINEによって間が持っています。

本当にしまりんが一人で静かに過ごしているだけの話となると(ファンなら見ていられるでしょうが)、作品としてはかなり厳しいものがあります。

 

問題は会話がないということだけでなく、情景描写の難しさもあります。

山で見る風景の多彩さを的確に伝える技術が今の僕には足りていません。

例えば、塔ノ岳の山頂から見る景色と鍋割山の山頂から見る景色の違いを、どう書いたらいいでしょうか。

両者は確かに違うはずなのですが、

  • 最高
  • 緑がいっぱい
  • めっちゃ遠くまで見える

など、共通点が多々あり、しかもそういったことこそが誰もが最初に感じる重要なポイントです。

細かな「地名」を出せば、丹沢を知ってる人は肯ける、いかにもそれらしい体裁の文章にはなりそうですが、丹沢を知らない人に伝わる文章かというと怪しいところです。

これは「植物」についても同じで、木や花の具体名を挙げていけばきっと文章はそれっぽくなるのですが、知らない人には伝わらず、そもそも僕が植物について何も知りません(勉強したほうがいいかもしれない)。

 

考えれば考えるほど「写真」の力を感じます。

写真なマジで一発です。

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さらに言えば動画もあります。 

 

物書きなのであくまでも文字での表現にこだわっていくのですが、なかなか険しい道のりとなりそうです。

なお、険しいほど燃える模様(・∀・)